令和6年度の第32回大学院修了式?第57回体育学部?第7回教育学部卒業式が3月18日(火)、大阪府泉佐野市のスターゲイトホテル関西エアポートで行われました。
式典を締めくくる学歌斉唱は、これまで新型コロナウイルス感染対策のため、歌わずに静かに聴く「学歌清聴」でしたが、平成31(2019)年3月の卒業式以来6年ぶりに本来の「学歌斉唱」に戻り、修了生?卒業生、教職員の歌声が、令和で初めて会場に響きました。

6年ぶりに卒業生らが学歌を斉唱した修了式?卒業式
修了生?卒業生は、大学院生は博士前期課程21名、博士後期課程1名、学部生は体育学部481名、教育学部131名で合わせて634名です。
式では、原田宗彦学長が博士後期課程の1名や博士前期課程と各コース代表の学生に学位記?卒業証書を授与し、スポーツで優れた成績を収めた大島鎌吉賞、学業で優れた成績を収めた加藤橘夫賞などの67名を表彰しました。
原田学長は式辞に臨み、「今、世界はかつてない変革の時を迎えています。生成AIに代表されるテクノロジーの進化は、人類の在り方を根底から変え、地政学的な緊張は国際秩序の不確実性を高めていますが、歴史を振り返れば、こうした試練の時こそ新たな創造が生まれる契機となります。大阪体育大学の卒業生に求められるのは、変化を嘆くのではなく、それを超え、新たな時代を切り拓く勇気です。皆さん一人ひとりの可能性こそが、未来を創る礎となりますが、待ち受ける変化を乗り切るには、長い人生がつらいものではなく、楽しいものにすることが大切です。皆さんには、楽しくワクワクするウェルビーイング、すなわち幸福な人生を送っていただきたいと願っています」とあいさつしました。
祝辞、記念品贈呈などの後、送辞は、在学生を代表して学友会会長の大西優矢さん(体育学部3年、貝塚南)が「私にとって雨山祭や学友会の活動で先輩方と切磋琢磨し、喜び、悔しさを分かち合ったことは、かけがえのない経験でした。先輩方はどのような道に進んでも、大阪体育大学で培った常に挑戦し努力を惜しまない姿勢は、必ず支えになると信じています」などと卒業生にエールを送りました。
謝辞は、大学院総代?端岡里紗さん、体育学部総代?舟橋輝さん(摂津)、教育学部総代?原本駿さん(西京)が務め、それぞれコロナ禍での学びを振り返り、恩師への感謝の思いや社会人としての決意などを語りました。
その後です。司会者が「学歌斉唱」とアナウンスした後で続けました。「この6年間、新型コロナウイルスの感染防止対策により、学歌は歌うことなく清聴にとどめていましたが、平成30年度以来、令和では初、6年ぶりの学歌斉唱となります。修了生?卒業生は学生生活最後の学歌斉唱となりますので、思いを込めて斉唱してください」
修了生?卒業生、教職員が起立し、日本を代表するノンフィクション作家の後藤正治氏が作詞、作曲家の鈴木英明氏が作曲した「大阪体育大学学歌」が流れました。
「金色(こんじき)の波頭きらめく 難波の海に 若人の理想 いま溢(あふ)る 学びし窓に谺 ( こだま ) した 輝く日々よ 我らに宿る 大阪体育大学 栄えあれ」
令和では初めて修了生?卒業生の歌声が会場に響きました。
修了式?卒業式は令和2(2020)年1月ごろからの新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、令和元年度(2年3月)はすべて中止。令和2年度は全体の式典は行わず、学位記?卒業証書授与式として各コースなどに分散して開催され、令和3年度は午前午後の2部制で卒業式を実施。令和4年度から1部制に戻りましたが、家族?関係者は入場できず、令和5年度(6年3月)で家族?関係者の入場が復活しましたが、学歌斉唱のみ見送られていました。
昨年の卒業式では、入学式がコロナ禍で中止された4年生のために、サプライズで「入学式」を実施しました。コロナ禍から5年が過ぎ、ようやく卒業式が本来の姿に戻りました。
教育学部総代の原本さんは「マスクなしで卒業式ができるのは当たり前のことかも知れないが、僕たちは当たり前のことができなかった世代なので、卒業式がコロナ前に戻ってうれしい」と話します。入学式は大学内で簡略化して実施され、1年生の前期の途中まではオンライン授業で、同級生と顔を合わせることも許されませんでした。対面授業が順次再開され、友人や先生と会って交わす「おはよう」のあいさつや、「また明日」の言葉はこんなにもうれしいものなのかと気づき、仲間と過ごす何気ない喜びを再認識したといいます。4月から郷里の山口県で小学校の教壇に立ちますが、大学時代の経験を活かし、「仲間を大切にする学級づくりをしたい」と意気込んでいました。

家族?関係者は昨年から入場が可能となった
また、修了式?卒業式の後は、伝達式が各コースなどに分かれて実施され、修了生?卒業生は一人ひとりゼミの指導教員らから学位記?卒業証書を授与されました。
伝達式の後は、謝恩会が立食形式で開かれました。
※表彰された学生は次の皆さん(敬称略)
【大島鎌吉賞】14名
冨部柚三子(大学院スポーツ科学研究科)=2022年アジア競技大会セーリング競技ILCA6級7位、石川空、濵口まお、吉野珊珠、中村理乃、福井すみれ、坪井詩、西田瑞歩(ハンドボール部女子)=インカレ優勝、内田峻介(アダプテッド?スポーツ部)=2024年パリパラリンピック?ボッチャ出場、白石美優(硬式野球部女子)=2024年WBSC女子野球W杯優勝、宇津木美都(水上競技部女子)=パリパラリンピック100m平泳ぎSB85位、田部壮一郎(体操競技部男子)=2022年FIG種目別チャレンジカップ?ソンバトヘイ大会男子つり輪3位、荒瀬 廉(ハンドボール部男子)=2024年男子世界選手権出場、北谷宏人(陸上競技部)=2022年デフリンピック男子棒高跳び金メダル
【加藤橘夫賞】1名
藤浪大輔(体育学部スポーツ教育学科)=学業成績全学1位
【スポーツ優秀賞】29名
和田真琉(スポーツ科学研究科)、河田紘孝、安樂拓真、戸上佳映、森下皓介、横井遥紀(アダプテッド?スポーツ部)、内田陽菜、松井望々香、割鞘世奈(硬式野球部女子)、柴田咲季、森本彩心(ダンス部)、有田直司、江藤辰紀、近藤アレキサンダー偉一郎、中尾優斗、難波克、堀上明志、田代優樹、前川大樹(ハンドボール部男子)、谷岡岳久、山本悠平、佃遥介(ライフセービング部)、湯川愛梨(剣道部女子)、古山兼悟、木戸柊摩(サッカー部男子)、北川莉奈、北田絢女(体操競技部女子)、河野葵(なぎなた部)、大濱未結(陸上競技部)
【学業優秀賞】20名
池田隆人、日髙真弥、川崎恭輔、石川真愛永、長谷原彩音、湯川愛梨、福家寿悠駿、永橋優夏、久保伊織、藤原光一朗(体育学部スポーツ教育学科)、舟橋輝、田端祥奈、田鶴達、山本悠智、宮城利佳、金谷翔太(体育学部健康?スポーツマネジメント学科)、原本駿、西森芽依、戸上佳映、青木陽子(教育学部教育学科)
【功績賞】2名
藤川奨太(学友会会長)、外山涼介(硬式野球部女子コーチ)
【優秀論文賞】1名
端岡里紗(スポーツ科学研究科博士前期課程)
※博士後期課程を修了し、博士(スポーツ科学)の学位を授与される者
伊藤和寛(博士論文論題?股関節屈曲角度 -トルク特性に基づいた大腰筋の筋力トレーニング法開発に関する基礎的研究-)
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