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2024.12.21

ハンドボール女子日本選手権 準決勝で力尽きる 激しいコンタクトで体力消耗

 第76回日本ハンドボール選手権大会(女子の部)は12月21日(土)、福井県あわら市のトリムパークかなづ多目的体育館で準決勝が行われました。大阪体育大学は28―31(前半15―12)でブルーサクヤ鹿児島(ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング)に敗れて4年ぶり3回目となる決勝進出を逃し、悲願の初優勝は果たせませんでした。
 決勝は22日(日)午後2時、香川銀行と鹿児島が対戦します。香川銀行には大体大卒業生がメンバー16人中8人、鹿児島には5人が入っています。

◆激しいコンタクトで体力を失う
 前半は、エース石川空選手(体育4年?大分鶴崎)に頼った前日とは違い、左サイドから福井すみれ選手(体育4年?名古屋経済大学市邨)が、右サイドから吉野珊珠選手(体育4年?同)が再三、シュートを決めました。GK比嘉楓選手(体育3年?那覇西)が2度の7mスローなどで好ブロックを連発。3点リードの15―12で前半を折り返しました。

福井すみれ


 しかし、楠本監督には不安があったといいます。リーグH(日本リーグ)勢との試合が続き、前日の熊本ビューストピンディーズ戦では濵口まお選手(体育4年?四天王寺)らが何度も相手ディフェンスに阻まれてひっくり返され、床に体を打ちつけました。大学同士の試合とは段違いの激しいコンタクト。準決勝段階の疲労度は、インカレと日本選手権ではまったく違います。ハーフタイム。楠本監督は「足で守らないと、3点差なんてすぐ追いつかれる。ここは気力の勝負や」と選手を送り出しましたが、その足がピタッと止まりました。

比嘉楓


 21―18の後半12分からオフェンスミスが相次ぎ、3連続失点で同点。流れを変えようとタイムアウトを取りましたが、さらに2連続失点。ようやく吉野選手のシュートが決まりましたが、また3連続失点。あっという間に大差がつきました。
 前日の準々決勝で、楠本監督は福井選手らをほぼフルで起用しました。本当は休ませたかったといい、1年生を起用する手もありました。しかし、今季最後になるかも知れない試合は4年生で行きたい思いがあったといいます。「監督ではなく教育者になってしまったのが自分の弱さの部分」と振り返りました。

濵口まお


◆「先輩に憧れるな」
 鹿児島はメンバー16人中5人が大体大の卒業生です。試合前、楠本監督は「大谷翔平さんではないが、相手に憧れたり先輩と思ったりすると、気持ちで負ける。あなたたちは先輩ではなくソニーと戦うんだ」と選手を送り出しました。それでも、卒業生の笠井千香子選手に5得点、服部沙紀選手に4得点を許しました。楠本監督は「先輩たちの意地を感じた」と話します。決勝に進んだ香川銀行も16人中8人が卒業生。大体大にとって、日本選手権は先輩との闘いの場でもあります。

吉野珊珠


◆4年生から3年生へのエール
 石川選手は試合後も涙が止まりませんでした。「卒業生の方に自分たちの弱いところを突かれた。楠本先生にたくさんの勉強をさせていただいて、最後、先生を胴上げして恩返しをしたかった」と声を振り絞りました。石川をはじめ脚の痛みがありながら8点を挙げた福井選手、5得点の吉野選手ら4年生は、学生最後の試合で十分健闘しました。楠本監督は「毎年そうだが、この4年生の頑張りが3年生をはじめ後輩へのエールだと思う」
 年明けには、新チームが始動します。3年生の比嘉選手は「インカレの11連覇、日本選手権の2年連続ベスト4をつないでいかないといけない。『12』にプレッシャーを感じている」。たすきは3年生につながれました。

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