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2025.07.31

大学スポーツで創る持続可能な社会とは 大阪体育大学がSPORTECでセミナー開催

 大学スポーツが持続可能な社会に向けてどう貢献することができるかを探るセミナーが7月31日、国際スポーツ?健康産業専門展「SPORTEC(スポルテック)2025」会場で開催されました。

藤本淳也教授と安部未知子さん



大阪体育大学はスポーツSDGsを推進しています

 大阪体育大学が主催。スポーツ科学部の藤本淳也学長補佐?教授(スポーツマーケティング)、Jリーグなどで社会貢献活動に取り組む株式会社CRAFT A取締役の安部未知子さんが、「大学スポーツで創る持続可能な社会:共創と還元による教育?研究?ビジネス連携モデル」のテーマで講師を務めました。
 Jリーグは、地域社会や社会課題への取り組みを通じてクラブとファン?地域がつながる「シャレン! Jリーグ社会連携」を積極的に推進しています。

セミナー会場

 藤本教授は、「シャレン!」を参考に、大阪体育大学も大学の社会的な価値を可視化して、企業?団体との共創モデルを作る方針だと説明しました。
 大体大は「大体大スポーツSDGs」を立ち上げて、2024年に専用サイトを開設しました。大学スポーツ協会(UNIVAS)かKCAA(大学スポーツコンソーシアムKANSAI)に加盟する225大学を対象にした2021年の藤本研究室の調査では、17目標を表記したスポーツSDGs関連活動の報告があったウェブサイトは全体の12%しかなかったといいます。藤本教授は「大体大では社会貢献活動にむちゃくちゃ多く取り組んでいるが、社会に伝わらず、可視化できていない」として、活動を紹介するウェブサイトの記事に17目標の番号を振り可視化を目指していることを説明。ソフトバンク株式会社と「スポーツ指導におけるICT活用」連携協定を結ぶなど産学連携で社会貢献に取り組むことでブランド価値の向上を図りたいとしました。一方で、サッカー部など多くのクラブや個人が社会貢献活動を行っていますが、それぞれの発信にとどまっているため、すべての活動を大学として発信し、大学の価値を明らかにしていきたいとしました。

藤本教授

 また、今後の大学スポーツSDGs価値創造モデルの構築に向けて、大学スポーツSDGsウェブプラットフォーム構築?運用のフェーズ1に続き、既存活動の可視化の推進?SDGsパートナー制度の検討のフェーズ2(2025年9~10月)、大体大インパクトレポート2025発刊のフェーズ3(2026年6月)、パートナー制度本格導入のフェーズ4につなげていきたいとしました。

 続いて、安部さんが登壇しました。

安部さん

 安部さんは大体大体育学部卒、大学院博士前期課程修了。Jリーグの東京ヴェルディ、京都パープルサンガで社会連携活動をサポートし、現在はBリーグの京都ハンナリーズで、サステナビリティソリューションチームに携わっています。
 安部さんは、Jリーグのシャレン!活動の詳細を説明し、企業との連携活動として、普段は周囲に支えられることが多い高齢者施設のお年寄りがクラブのサポーターになって支える側に回る、サントリーウエルネスの「Beサポーターズ!」を紹介しました。
 また、京都ハンナリーズがパートナー企業とともに衣料品を回収し、再生紙で文房具を作って学校に寄贈することを目指す「3ポイントプロジェクト」などを紹介しました。
 その上で、大阪体育大学の財産を企業がどう活用できるかを検討。安部さんは「大体大にはスポーツを極める学生が多数いる。企業にとって大学との連携は、就職先として選ばれる採用ブランディングになり、研究者とのパートナーシップは新規事業開発や販売促進につながる。また大体大には充実したスポーツ施設があり、この施設での実証実験などを通じた新規事業開発や健康経営にも期待できる」と解説しました。

 続いて2人でクロストークを実施。藤本教授からの「大学スポーツが企業と連携する場合、プロスポーツチームとの連携に比べてより難しい点、またはプロと変わらない点はあるか」との質問に、安部さんは「大学はプロと違ってファンがいる分けではないが、学生の存在はむしろ強みになる。また、キャンパスという拠点を中心に地域とともに活動する点もプロと変わらない」と解説しました。

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