筆者:藤本 淳也(スポーツ科学部教授)
1.大学スポーツは、競技を超えて社会とつながる場
大学スポーツというと、競技力を高めたり、試合で勝ったりすることを思い浮かべる人が多いかもしれません。もちろん、それは大切です。しかし、大学スポーツの意義はそれだけではありません。大学スポーツは、学生が仲間と協働し、地域や企業、卒業生、保護者、そして未来の入学希望者ともつながりながら、新しい意味や魅力を社会に生み出していく場でもあります。
大阪体育大学では、大学スポーツを単なる課外活動ではなく、学生が挑戦し、協働し、責任を学び、社会と関わる力を育む実践基盤として捉えています。また、大学スポーツを通じて、人を育て、地域をつなぎ、学生?地域?社会の well-being に貢献することを目指し、学生とともに実践しています。
2.マーケティング?マネジメントの力は、スポーツの現場で磨かれる
スポーツマーケティングの基本は、「誰に」「どのような価値を」「どうやって届けるのか」を考えることです。これは、単に何かを売ることではありません。相手が何を求め、どのような体験に魅力を感じ、どのような意味に共感するのかを考え、その価値を形にして届けることです。スポーツは一方的に提供される商品ではなく、人びとの感情や参加、共感を通して価値が形づくられていくものなのです。
この考え方は、Jリーグやプロ野球、Bリーグなどのプロスポーツでも同じです。いまスポーツビジネスの現場で求められているのは、試合そのものだけでなく、会場の雰囲気、イベント、発信、地域とのつながりまで含めて魅力をつくることです。また、2026年ワールドカップサッカーの大会スポンサーのマーケターも、競技そのもの以上に、会場体験、デジタルコンテンツ、文化性、地域性を通して、消費者とどうつながるかを重視しています。学生時代に、大学のスポーツイベントに関わること、各クラブが主催するイベントを企画?運営すること、他大学の学生との交流を通して新しい取り組みに挑戦することは、そのままマーケティング?マネジメントの実践的な学びになります。どうすれば人が集まるのか、どうすれば楽しんでもらえるのか、どうすれば大学スポーツの魅力が伝わるのかを考える経験は、スポーツビジネスの世界でも生きる力になります。実際に、在学中のこうした体験を土台に、スポーツビジネスの世界で活躍している卒業生もたくさんいます。
3.大体大には、その力を育てるフィールドがある
大阪体育大学には、スポーツ科学や教育学を基盤に、スポーツそのものの本物の価値を学びながら、学内外の大学スポーツの現場でマーケティング?マネジメントの力を実践的に育てていくフィールドがあります。たとえば、大体大が主催して毎年秋に実施される「フレンドリーマッチ」は学生が企画?運営して大学スポーツの魅力を多くの人に伝える実践舞台となっています(参照)。在学中に多様なイベントや交流に関わり、学びを知識で終わらせず、自分の力に変えていくことができます。
【参考文献?資料など】
?藤本 淳也.(2022).スポーツマーケティングとは何か―特異性の考察―.『マーケティングジャーナル』,42(2),6–16.https://doi.org/10.7222/marketing.2022.043
?原田 宗彦, 藤本 淳也, & 松岡 宏高. (2018). スポーツマーケティング改訂版. 大修館書店.
?大阪体育大学.(2025年10月12日).学生手作りのフレンドリーマッチがKCAA応援促進プログラム最優秀賞―12月?ハンドボール部女子交流戦 スポーツマネジメントの知見活かし有料試合を企画?運営.
?World Cup 2026 becomes biggest marketing battleground for global brands. (2026, May 31). Communicate Online.

「フレンドリーマッチ2024」試合の様子

「フレンドリーマッチ2024」観客の様子

「フレンドリーマッチ2024」パンフレット表紙






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